大人の方が早いんです
外国語の習得、大人の方が早いんです。
よく、子どもは言葉の天才だとか言われ、子どものうちから外国語に触れていると、苦労せずにバイリンガルになれるなどと耳にしますが、習得のスピードという点ては大人の方が優れているのです。
よく、子どもは言葉の天才だとか言われ、子どものうちから外国語に触れていると、苦労せずにバイリンガルになれるなどと耳にしますが、習得のスピードという点ては大人の方が優れているのです。
日常生活に必要な最低限の英会話能力を身につけるのにかかる時間は、大人の場合約2000時間、子どもの場合5000~7000時間と言われています。
ちなみに生まれてから6歳までに母語に触れる時間は約17000時間です。
これを読んであれ?と思った方もいると思います。6歳というと母国語の基礎が出来上がってくる時期で、ほとんどの子が言葉を使いこなせます。なのにそこまでに達するには17000時間もかかるのに対してどうして外国語の習得の方が短時間で済むの?という疑問がわいてくるのではないでしょうか。
理由は、基礎として母国語の能力があるからです。なにも無い真っ白な状態から全く同じ量の母国語(日本語)と外国語(英語)に触れる生活を何年か続けるのであれば習得のスピードに差は出ないはずですが、2つとも全く同じ時間、同レベルの使用環境というのはめったに無い話で、多くの場合はどちらか一方の言語が優勢になります。
赤ちゃんが言葉を習得していくプロセスですが、簡単に説明すると、自分で一つずづ文法ルールを探り、それを言葉に当てはめ、何度も何度も間違いながら何ヶ月もかけて正しい使い方をマスターします。
大人の場合は最初から教材などで文法を学ぶことができますので、全く知らない外国語でも、例えば旅行に必要だから直前にこれだけは言えるように覚えようと思えば短時間で覚えて使うことができます。
大人の方が外国語の習得が早いという理由に「母語の力」が挙げられます。
大人は物事を論理的に考えることができるので、わざわざ文法ルールを自分で一つ一つ探らなくても、最初から正しい形を学び、正しく使うことができます。
母語がしっかりしているということは、自分の考えを組み立てることができ、物事を筋道立てて説明することができるということです。母語での「考える基盤」が頭の中にすでにできているので文法ルールをすぐに理解し、使うことができるというわけです。
仮にそのような文法などの知識を得ず、全く何も知らない状態で外国に行った場合でも、言葉が使われている状況をきちんと分析し、自分でも使うように努力すれば子どもよりも習得のスピードは早いはずです。
逆を言えば大人になってからの学習では、自分から意識して『上達したい』と積極的になれるかどうか、時には言葉がどういう風に使われているのか分析し、自ら学習しないと実力は止まってしまうのです。
せっかく留学したにもかかわらず、現地で日本人同士でかたまって日常のほとんどを日本語ですごしていたので英語が上達しなかったという話はよく耳にするのではないでしょうか。
大人になってから外国語を習得する方が短時間で済みますが、そのかわり自ら意識して努力しないといけないということです。もうこのレベルでいいや、と努力をやめてしまえばいつまでたっても同じレベルから上達しません。
さて、子どもが外国語を習得するのに5000~7000時間、母国語と比べて短時間で済むという話です。
どのような条件このでデータがとられたのかがわからず、外国語に触れ始めた年齢、一日の平均接触時間、また何年にわたってのデータ、学習方法など、子ども一人ひとりの状況によってかなり違ってくるとは思います。しかし、子どもが成長するに従い、母語も大人のレベルへと上達していきます。日々上達している母語の力が外国語習得にも役に立っていると解釈することができるのではないでしょうか。また、子供という特性から、外国語を学ぶ場合もより自然に近い、母国語と同じようにルールを自分で見つけるという面もあるかと思います。
赤ちゃんの時期、母語を習得するということは「考る基盤を作る」ということだと思います。真っ白な脳に「おなかがすいて泣いたらお母さんがミルクをくれる」「大きい声で泣いたらだっこしてもらえる」などとひとつずつ、何度も何度も経験しながら自分なりの考えが出来上がって成長していくのだと思います。この考える基盤があってこそ、言葉を選択し、より適切な表現ができるようになっていくのです。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、狼に数年間そだてられたきょうだいが発見され、その後人間に育てられたにも関わらず、覚えた言葉はたった数個、狼と同じ寿命で亡くなるその日まで、人らしい行動は現れず、一生狼のように振舞っていたという話があります。
言葉の習得には臨界期説というものがあり、ある一定期間をすぎれば習得が困難になると聞いたことがあると思います。赤ちゃんから子供時代に言葉に触れ自分の中に考える基盤を形成することはこの狼に育てられた子どもの例からも大変重要であると判断できます。
狼には狼の思想?があればその人生を狼として生きることができますが、人間が狼と過ごす、しかも言語習得の基礎が作られる大事な時期にそのようなことがあれば、人間としての「考える基盤」は形成されません。狼としての基盤になってしまうのです。狼として育った脳で後で人間としていくら教育しても狼に言葉を話せと言っているようなもので無理なのです。
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赤ちゃんから子供にかけての脳は、「意識しないでも言葉を習得するようにプログラムされている」のです。この時期に莫大なデータを集め、無意識に分類、分析、ルールを見つけ、人とのやりとりでそれを使い、間違いを繰り返しながら長い期間をかけてマスターしていくのです。
自分の子供に英語を習わせているお母さん、多いと思いますが、あなたのほうが早くマスターできるんですよ。